契約書作成

1.契約書の意味
 
契約書の作成は、法律に規定のある一部のものを除いて、契約成立の必須要件ではありません。口約束であっても多くの契約は成立します。それでも契約書は、契約締結の現場において、客観的な証拠を示す書面として、重要な役割を果たしています。
 証拠としての契約書を残す一番の目的はトラブルの回避です。口約束で契約を交わした場合、一方(又は双方)が忘れたり、嘘をついたりした場合、契約の成立・内容に疑義が生じてしまいます。トラブルの回避以外にも、当事者以外に契約の成立(内容)を示すという目的もあります。様々な手続きにおいて契約書の提出が求められていますが、これは手続きを承認する側が契約の客観的証拠を求めているということなのです。
 これらの目的を達成するためには、契約書の記載内容が重要になります。仮にトラブルが発生し、当事者の話し合いで解決できない場合、終局的には裁判所に訴え、裁判官の判断を仰ぐことになります。つまり、契約書の記載内容は、究極的には裁判所の認定に耐えうる内容にしていないといけないということなのです。このことは契約書と題した書面だけでなく、合意書や確認書、念書等といったものであっても同様です。

2.費用
 当事務所の契約書作成手数料は、概ね3万3000円~5万5000円くらいのものが多いです。簡易的な書面ですとそれ以下の場合もありますし、複雑なもの、多数の当事者を想定した基本契約書等は高くなる傾向になります。また、契約書の種類によっては、印紙の貼付が必要になります。額が大きい取引の場合は、印紙税が高額になりますので、ご注意ください。契約書等の書面を作成するか悩んでいる方、まずは一度ご相談いただければと思います。

各種契約書

ご依頼の多い契約書について、一部ですがご紹介いたします。

1.不動産売買契約書

 不動産業者を通して売買する場合は、通常、不動産業者が契約書を作成しますが、売主、買主が既に決まっている知り合い同士の売買等の場合、登記名義の変更と併せて、直接作成のご依頼を受けることがあります。トラブルの防止の他、税務署への証拠書類、その他各種手続きのための提出書類としても使用します。

2.金銭消費貸借契約書(借用書)

 お金の貸し借りに関する契約書です。金銭消費貸借契約はトラブルが非常に多い契約ですから、必ず何らかの書面を作成するべきです。なお、借用書と題する書面は、一般に借主が貸主に差し入れる形式のもの(借主の署名、押印のみで、借主の義務を明確にしたもの)を指します。契約の内容が金銭消費貸借であることに変わりはありません。

3.不動産賃貸借契約書

 不動産賃貸借契約も非常にトラブルの多い契約です。個人的なつながりで貸し借りをしている場合等は、契約書の作成をしていないことも多く、そのような場合に紛争が起きると事件がより複雑になってしまいます。借地借家法の適用がある場合には、様々な制限がありますので、契約書の作成には注意が必要になります。

4.債務承認弁済契約書

 債務弁済契約とは、過去に何らかの要因で債権、債務関係が生じていた場合、改めて当事者間で確認し、弁済方法等を定める契約です。一般の方には聞きなれない名前の契約かもしれませんが、お話をお聞きすると、こちらの契約書の作成が適当であると判断される場合があります。

5.その他
 上記の契約書は一例にしか過ぎません。特に契約の名前等、わからなくても問題ありませんので、「こういうような契約(あるいは合意等)を書面にしたい」というご希望を仰っていただければ、適切な書面を作成いたします。なお、法的な問題とは別に、高度な専門的分野についての契約書については、十分な聞き取りに加え、当方でも調査、確認する必要がありますので、作成まで長い時間を要する場合もあります。